Thomas Muramatsu

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フレンチポリッシュ英和 (随時追加予定)

色々調べ始めたころに、いまいち意味の分からない単語が結構あったことを覚えています。
当時はインターネットには詳しい情報は少なかったので、辞書などで一生懸命調べていましたが、語学的な訳と、木工や楽器製作の訳は必ずしも一致しない(別の名称があったり、誤訳が一般化していたりします)ので、少し大変でした。
また、英語の情報でも、間違った知識を紹介している場合が多々あります。
現在は、普段から日本語・英語・フランス語で研究しているので、理解出来ないことが大分少なくなりました。
ここでは、一部の用語を紹介してみます。時間がないので、少しずつ書いていきます。
※もし、イマイチ理解出来ない単語や表現があれば、コメント頂ければ追加します。

Cheese cloth
チーズクロス、寒冷、ガーゼ
かなり曖昧な定義のようで、アメリカでも、ガーゼと区別がつかない人が多いようです。どうやら、どちらとも呼べる場合もある様子。元々は、豆腐の木綿のような感じでチーズを作るときに使う布のこと。目の細かさが色々とあります。日本で寒冷紗というのは、農業用の長尺、ポリエステルなどのものが多いようで、塗装用途に合うか分かりません。また、目の細かさもはっきりとしないものが多いです。向こうではパッドから濾過まで多用されています。医療用のガーゼみたいなものを使って良い結果を出している人もいます。

Curing Oil
乾性油  硬化(?)する油、くるみ油、亜麻仁油など
ここに詳しい解説があります。

Denatured Alcohol
変性アルコール酒税法の対策のために、毒性を持たせたアルコール。エタノールとメチルアルコールを混ぜていることが多い(メチルアルコールの強い毒性がある)海外のサイトで紹介されていると比べ、日本で見かけるものはメチルアルコールの割合が高いことが多い。

Linseed oil
亜麻仁油

Mineral Oil
ミネラルオイル、鉱物油石油ベースのオイルの一種。ベビーオイルは100%鉱物油

pore
木の導管導管を大きな木材は、導管を埋める作業をしないといつまで経っても塗装が進まない。

porous wood
導管の大きい、または多い木

Pound/cut
パウンドカットアルコールに溶かす樹脂の濃度の単位。数字が大きい方が濃度が高くなる。1パウンドの樹脂に、1ガロンのアルコールで1パウンドカットになる。200mlアルコールに24gの樹脂を溶かすとほぼ1パウンドカットになる。

Pumice
パミス軽石を粉にしたもの、下地の仕上げに使用する粉末状の研磨材

Rotten stone
ロッテンストーン/トリポリ。パミスよりさらに細かい粉末状の研磨材

Rubber,Tampon,Pad,Fad
ラバー、タンポン、ファッド、パッドなど、様々な名称で呼ばれるが、フレンチポリッシュをするために使う布を丸めたりして作るアプリケーターのこと。ラバーと言っていても、ゴムではない。

Spirit
アルコールのこと

Spirit Varnish
アルコールベースのニス
塗装方法や樹脂は関係ないので、フレンチポリッシュでなくても、刷毛塗りでもスプレーでも出来ます。ただし、フレンチポリッシュすることをSpirit varnishingと読んでいる人もいるようです。
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by thomasguitar | 2015-05-24 10:22 | Lutherie-楽器製作

フレンチポリッシュ 樹脂について

フレンチポリッシュについて、現時点までで分かったことをテーマごとに纏めようと思います。とりあえず今回は、Shellac(セラック、シェラック)樹脂についての情報のまとめ。

始めに、シェラック樹脂というのは、ラックカイガラムシという虫から採れる天然樹脂ですが、どうやら、大元はその虫のつく木の樹液で、それを虫が(恐らく食べるか何かして)変化させたもののようです。
そのため、他の植物性樹脂と似ている部分があります。

※夏に採れたもの(BYSAKHI)と冬に採れたもの(KUSMI)で違うとのことで、確かに色合いが全く違いますが、生産地がインド・タイなので、夏・冬というくくりがイマイチはっきりしないように思います。雨期が冬なのでしょうか。


シェラックの種類

Stick Lac(スティックラック)
採取したままの状態のシェラック樹脂。棒状に固まっているためにスティックラックという。

Seedlac(シードラック)
スティックラックを精製して、種seedのように粒状になったもの。

Button lac(ボタンラック)
樹脂を溶かして、布で濾して絞り出し、平な面に落としてそのまま固めたもの。ボタンのような形なのでボタンラック。溶かす方法は知りませんが、熱を加えるようです。
比較的強度が高いということで、床の塗装にも使われるそうです。

Shellac flakesシェラックフレーク
樹脂を溶かして精製して、フィルム状に広げて固めたものを、割ってフレーク状にしたもの。精製の度合いや色などでバリエーションが豊富です。

基本の種類は以上。一般的によく使われているのはフレークのうちのバリエーションです。



精製度合い
精製する過程で、元々の樹脂のワックス分を除去したもの、また色素を分離したものがあり、それともとの樹脂の違いによって様々なバリエーションが生産されています。通常、ワックスなし(dewaxed)のものが良いと言う人が多いです。
Super Blondなどの、色素をほとんど除去したものが、シーラーなど一番幅広く使えるので、まずそれを入手する人がほとんどでしょう。

ワックス
樹脂に含まれるワックス分は、下地に使った場合、上に塗料が乗りにくいなどの理由で敬遠する人が多いようですが、お構いなしに使用して、何のトラブルもないと言う人も居ます。とりあえず、フレンチポリッシュの場合は関係がないと思います。
また、ワックス分はアルコールの溶かした後にそっとしておくと、分離して沈殿するので、上澄みをとればかなり除去出来ます。ただし、濃い溶液の場合が液体の中に宙づりになって沈殿しないこともあります。自分の場合は、2パウンドカットで沈殿しなかったものを1パウンドカットにしたら奇麗に沈殿しました。

あとは、基本的に色合いのバリエーションだと思って良いと思います。

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下にある不透明な層が、沈殿したワックス分




シェラックの保管
溶かす前は無限に保存が可能と大体紹介されていますが、10年前後前に購入したSuper Blondのフレークは、明らかに以前よりも溶けにくくなっています。容器はJ.E.MOSER'Sのプラスチック容器のままですが、こいつは気密性のほとんどないものなので、それが原因なのではないかと疑っています。
ということで、食品保存瓶などの、密閉できる容器で保管した方が良いでしょう。
用心して損はないはずです。


シェラックは、アルコールに溶かした後に必ず濾過した方が良いです。
精製度が高く、濃度が薄ければコーヒーフィルターでも濾過出来ますが、多くの場合は
つまってしまいます。
詰まらない範囲で、出来るだけ細かい目の布などを使用するのが、一番効果があると思います。濾過すると確実に透明度が増します。


その他の樹脂
Sandarac(サンダラック)など、そのシェラック以外の樹脂を混ぜて使うこともあります。
他の樹脂は基本的に樹液(ヤニ)のようです。
国内では、日本リノキシンで輸入販売、また製造もしているようです。他での入手は難しい
ものが多いと思われます。
特に使う必要はないでしょうが(シェラックのみで素晴らしい塗装をしている人がたくさんいます)、ちょっと研究するのも面白いとは思います。自分はマルキオーネ及び、バイオリン製作の書籍の真似でサンダラックのみ少量混ぜています。
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by thomasguitar | 2015-05-23 23:30 | Lutherie-楽器製作

フレンチポリッシュ、シェラック 参考リンク

追加編集予定

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製作中のギターの塗装が終わりに近づいてきました。
今回、塗装は100%フレンチポリッシュにしましたが、実践する前にかなり色々と調べたので、記録として、また情報を探している人の参考になるようにリンクや考察をまとめておきます。


今回使用したの樹脂は、随分前に買ったJ.E.MosersSuper BlondShellac.netで購入したKUSMI #1, Lemon Yellow/Orange, 日本リノキシンで購入したサンダラックの4種類。※ちなみに、フレンチポリッシュでは、樹脂にワックスが入っていても、取り除かれていてもあまり関係ないようです。 アルコールは、東急ハンズで購入したIPAアルコール(99%)
下地の段階で、日本リノキシンで購入した、パミス粉末トリポリ粉末を使用しました。
オイルは、クルミ油ミネラルオイル

調理用のクルミ油とジョンソンのベビーオイル(無香料)を使いました。
ベビーオイルは、純粋な鉱物油です。

アルコールは、無水アルコールであれば。エタノール、メタノール、IPAなど割となんでも大丈夫なようです。有名なビルダーの中には、エタノールを使った方が奇麗だと言う人もいます。ただし、無水エタノールは中々高価です。
一度切りであれば、燃料用のメタノールで大丈夫と思いますが、塗装は長丁場になるので、
蒸発したアルコールを結構吸うことになると思います。IPAはメタノールよりも毒性が弱く、値段はエタノールよりも安いので選択しました。
本来は、揮発性溶剤ようのマスクをするべきでしょう。また、エタノールの方が害が少ないでしょう。
※追記 アルコールの種類によって、樹脂の発色に違いが出るようです。時間が出来たら自分で検証します。
※※再追記 アルコールの種類に寄って、溶けやすさと色、染み込みやすさに違いがあります。エタノールと
      メタノールは比較的近い範囲でメタノールの方が多少黄味が強くなります。IPAはかなり茶色より
      になります。溶けやすさはメタノール>エタノール>>IPAと言った感じ。染み込みやすさは溶け方
      とほぼ同様です。

樹脂は、購入したら、早めに密閉容器に移しておくのが良さそうです。
高温多湿の日本では、樹脂が湿気を吸うのか、時間がたつと溶けにくくなることがあります。(Super Blondが中々溶けずに苦労しました)

フレンチポリッシュの具体的な方法

様々な意見があり、しらべるのも一苦労ですが、結局、どの方法でも良好な結果が得られるようなので、自分で気に入った手法、真似したいビルダーの手法を参考にすると良いと思います。

今回、熟読して参考にしたリンク、実際の映像をみて研究してリンクは、

定番の書籍Classic Wood Finishing(George Frank)

マルキオーネの解説、及びビデオ
向こうの協会誌(GAL)のPDFが参考になります。サンダラックを使っているのはこれのせいです。また、Youtubeに結構な量のビデオがあります。

Tom Bills
有用な情報よりもキャッチフレーズ的な内容が多いですが、非常に奇麗な塗装の写真と簡単な解説があります。フレンチポリッシュの教本を出版予定とのことで、待ち遠しいところです。ここの影響もあって、クルミ油を前半に使いました。
現在、フレンチポリッシュのオンラインコースを開設しています。これだけ分かればとりあえずかなりの塗装が出来ると言える、充実した内容です。
(もちろん全て英語ですが)ブログの簡単な説明から想像していた手順と全く違う部分もいくつかありました。
とにかく、フレンチポリッシュの全段階のオンラインコースはここ以外には無いと思います。

Fine Woodworking
実は、フレンチポリッシュの下に、木地着色をするとどうなのかということが、一番調べにくかったのですが、完璧なお手本を示してくれています。非常に参考になります。特にステインの参考にしました。

Youtubeで検索するといくつか動画が出てきます。
Youtube プレイリスト

今回中盤まで、基本にしていたのが、Richard Howellの手順。塗料の充鎮方法は真似していません。
動画
整理されたパターンが分かりやすいです。パッドを三角にするのがとても良いアイデアですが、丸い方がやりやすい部分もあります。

検索上位のこちら、
https://www.youtube.com/watch?v=ParX4-dOf1s&index=15&list=LLiHZrute_ncqtn0-6nTdsFg
ギターにそのまま転用するのはどうかと思いますが、参考になります。
流星のような尻尾が蒸発する様を説明しています。(VaporTrail)

マルキオーネ
初期
https://www.youtube.com/watch?v=TxSay4mn1kU
終盤
https://www.youtube.com/watch?v=zBDdOZ2e1Kg
最初の人と対照的な、小さなパッドです。

見ていると、少量のニスを少しずつこすりつけていくタイプが多いのですが、
マルキオーネは、薄めのニスを多めに乗せているように見えます。
また、ほとんどの人がとにかく円運動で動きまくるのに対して、マルキオーネは
前半はほぼ直線運動、後半の円運動も比較的ゆっくりしています。

今回、後半はマルキオーネ風にして見ましたが、結果は良好。
ある程度塗膜が出来ている段階からだったので未知の部分も多いですが、
手に掛かる負担が大幅に減りました。次回は、頭からこのやりかたで行こうと思っています。
※基本的に、少量を時間をかけて乗せて行く方が、そのままの状態でより光沢が出て、平坦にもなります。塗装後にサンディングやバッフィングをするかしないかで、選択は変わってくると思います。今回、塗装をある程度進めた段階で、サンディング無しで行けそうだったので迷いましたが、塗装を擦り込む作業で手が疲れてしまうので、別の方法にシフトしました。演奏の仕事の前や後に作業をしているので、手の疲労は大きな問題になります。


ニスは、2パウンドカットで適時薄めると良いと書いてあることが多いのですが、ギターの塗装の場合は、初めから1パウンドカットにして、アルコールを都度追加せずにやってしまった方がシンプルなように思います。研究段階ですが。


パミス粉末の刷り込みは、ニスを使わずに、アルコールとオイルのみで行ったほうが良いようです。
ニスを入れて行うと、だまになって固まったり、えぐれたり、結構大変です。実践済みです。ここでのオイルにクルミ油のような、硬貨するオイルが良いという意見があったので、そ
のようにして見ました。いずれちゃんと研究するかも知れません。

※追記 これを書いた当時はこのように感じていましたが、やはり極少量のニスも使った方が良いかも知れません。
まだまだ研究が必要です。また、乾性油を使うかどうかも再考の余地ありです。


パミスの刷り込みはやってもやらなくても大丈夫なのですが、今回、より丁寧に刷り込んだ表板のスプルースの塗装は、裏のメイプルよりも明らかに上手くいっているので、やる価値はあるのではないかと思います。

当初、マルキオーネの影響で、下地の準備にサンドペーパーを使わずにスクレーパーで仕上げようと計画していましたが、技術が足りずに実現出来ませんでした。
しかし、丁寧にスクレーパーで処理したことは効果があると思います。
比較的細かい番手のスポンジパッドでの研磨を経て塗装に進みました。

下地を一度仕上げたら、水分を与えて繊維を起こしてから、再びサンディング、
ニスを一塗りして、乾いたらまたサンディングと、三段階にしました。
3Mスポンジ研磨パッドのFINEからULTRA FINEMICROFINEまで仕上げました。
研磨パッドは東急ハンズでセットを購入して試してから、モノタロウで少し纏めて注文
しました。下地はハンズのセットでこと足りました。とても長く持ちます。




とりあえず、一旦ここまで。
そのうちまとめ直します。

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by thomasguitar | 2015-05-22 15:20 | Lutherie-楽器製作

5月12日 新生トリオライブ in 外苑前

5月12日に久しぶりの外苑前Z.imagineにてライブがあります。
今回は、自信を持って挑む新生トリオでやります。

Thomas Muramatsu(gt)
Merlyn Kelly (bass)
Elia Gaitau (pf)

外苑前Z.imagine
5月22日
19:30 oepn
20:00 start (22:30ごろまで)
charge 2000yen


遊び心と変化に富んだジャズライブになると思いますので、是非聴きにきてください。
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by thomasguitar | 2015-05-01 19:03 | LIVE SCHEDULE